タクシードライバーになるために必要な資格
タクシー運転手として働くためには二種免許(普通自動車第二種免許)と、地域によっては地理試験が必要となります。
特に二種免許はタクシードライバー必須の資格。支援制度のあるタクシー会社では、入社後に資格取得費用を負担してくれる会社もあります。
以下に二種免許と地理試験について詳しく紹介していきます。
二種免許(普通自動車第二種免許)とは?
二種免許の正式名称は「普通自動車第二種免許」と言います。道路交通法においては普通自動車第一種免許と同じ区分となり、お客様を乗せて報酬を得るタクシーやハイヤーなどのドライバーに必要な運転免許証。二種免許の受験資格はいくつか条件がありますので、タクシーへの就職を考えている方は、自分が条件に当てはまるか確認してください。
二種免許の受験資格
- 年齢21歳以上
- 第一種免許を取得後、3年経過している
また、以下5つの適性試験で規定値であることも二種免許取得の条件です。
- 視力。片目で0.5以上かつ、両目で0.8以上(眼鏡・コンタクト可)
- 色彩能力。赤、青、黄色が識別できる
- 深視力(動くものを見る検査)。規定回数検査し平均誤差が2センチ以下
- 聴力。10メートルの距離で90デシベルの音が聞こえる(補聴器の使用不可)
- 運動能力。タクシーの運転に支障をきたす恐れや身体的な障害が無く、問題なく日常生活を送れること。
二種免許を取得する流れ
二種免許の取得には学科試験と技能試験があります。それぞれ合格後、応急処置講習と旅客車講習を受講したらようやく二種免許の交付となります。二種免許はお客様の命を預かっていることを理解した運転ができるようになるため、一種よりも長い講習時間が用意されています。
二種免許の学科試験
二種免許の学科試験は一種に比べて応用問題が多く難易度は高く設定されているようですが、二種免許特有の設問はたったの5問しかないため、普通免許を取得した方であればそれほど難しくない試験と言えます。
- マークシート形式
- 問題数=95問(文章問題90問、イラスト問題5問)
- 90点以上で合格(文章問題1問1点、イラスト問題1問2点)
二種免許の技能試験
二種免許の技能試験は、基本的には教習所で行われる卒業検定と一緒です。一種に比べ合格点はやや高く厳しく設定されており、V字やS時など鋭角なコースの通過や切り返し、また特定場所での停車や転回など状況に応じて適切に対応することが求められます。
- 試験内容=教習所内での試験+路上での試験
- 80点以上で合格。
二種免許の取得方法
二種免許の取得方法は2つあります。タクシー会社に入社してから二種免許を取る場合は、費用は会社負担で提携している教習所の合宿で取得するケースが多いようです。
- 自動車教習所に通う
一般的には1週間~10日ほどで学科・技能・卒業検定まで終了できます。費用はおよそ20万円程度掛かりますが、教習所を卒業すると試験場での技能試験が免除になるのは大きなメリット。ちなみに費用はタクシー会社が負担してくれる場合が多いです。
- 技能試験を直接、試験場で受ける
いわゆる一発試験と呼ばれている試験です。直接、運転試験場へ行って試験を受けます。1度で合格できれば費用もお金も抑えられますが、かなり厳しい審査のため合格率はとても低いものとなっています。相当な知識と運転技術があれば合格の可能性もあるかもしれませんが、おすすめできません。
地理試験とは?
タクシー業務適正化特別措置法施行令により指定された東京・神奈川・大阪の一部地域では、タクシードライバーとして働くために地理試験の合格が必要になる地域があります。お客様を安全に送迎するためには営業区域の地理に詳しくなければなりません。
下記が地理試験が必要となる地域です。
- 東京(東京23区、武蔵野市、三鷹市)
- 神奈川(横浜市、川崎市、横須賀市、三浦市)
- 大阪府(大阪市、堺市、豊中市、泉大津市、高槻市、守口市、和泉市、箕面市、門真市、東大阪市、島本町、忠岡町、池田市、摂津市、八尾市、茨木市、吹田市、高石市)
地理試験の内容は地図で示された主要道路や主要施設を答えるもののほか、主要施設と市区町村の関係性、駅の所在、乗車から降車までの最短経路を問うものもあります。
全40問中32問(80%)以上の正解で合格。一般的に合格率は4割ほどと言われていますが、暗記問題が多いので何度かチャレンジして合格する方がたくさんいます。
また、地理試験は過去の問題集も販売されているので、試験対策として使うことができます。
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