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地理試験とは?

タクシードライバーに目指す人以外は地理試験という言葉にあまり馴染みがないかもしれません。

この地理試験というのは東京や大阪などの特定指定地域内でタクシードライバーになるために必要な知識に関する試験です。

ここでは、そんな地理試験について詳しく紹介していきます。

地理試験の詳細

地理試験は特定指定地域でタクシードライバーになるため合格しなければならない、地理知識を試す試験です。
地理の勉強や試験、許可書発行は各所轄のタクシーセンターで行われています。

・地理試験が必要なエリア一覧
東京都:23区+三鷹市+武蔵野市
大阪府:大阪市、堺市、池田市、豊中市、箕輪市、吹田市、茨木市、高槻市、摂津市、島本町、東大阪市、八尾市、高石市、守口市、門真市、和泉市、泉大津市、忠岡町
神奈川県:横浜市、川崎市、横須賀市及び三浦市

問題内容

地理試験は「地理」と「法令、安全及び接遇」の2科目に分かれており、両方に合格しなければなりません。

地理の問題は道路の名称や地名、有名な建造物、その他名所、駅の場所が出題されるマークシート式のペーパーテストで、全部で40問出題されます。32問以上正解することで合格となります。

合格率は40~50%と言われていて、一度で合格するのは難しいと言われるほどの試験です。試験中の所要時間は60分です。

「法令、安全及び接遇」の科目では「法令」「安全」「接遇」の3つの項目から、各15問の合計45問が筆記で出題されます。36問以上正解することで合格となります。

各項目の細かな問題内容は下記の通りです。
・法令:道路運送法、タクシー業務適正化特別措置法、その他の法令に関する問題。
・安全:指定地域内の交通事故の発生状況、交通事故の予防・防止、及び事故発生時の措置に関する問題。
・接遇:タクシーの運転者の基本的な心得や心構え、高齢者、障害者等の乗車、降車時における対応に関する問題。

この「法令、安全及び接遇」の試験は2015年から「輸送の安全及び利用者の利便の確保に関する試験」として追加されました。

また他の指定地域(特定指定地域含む)で2年以内に発行された合格証を持っている方、他の指定地域で2年以内に90日以上、タクシー及びハイヤーの実務経験がある方は、この「法令、安全及び接遇」の試験が免除されます。

地理試験効力

どちらかの1科目のみ合格した方には、科目合格通知書が発行され、次回の受験の際に科目合格通知書の写し(コピー)を添えて受験申請をすることで、既に合格した科目を免除することができます。合格証、科目合格通知書の有効期限は合格日から2年間です。

この有効期限はタクシー乗務員として勤務している間は、失効せず再び受験する必要はありません。タクシー乗務員を辞めるか、また地理試験の必要のない特別区以外の勤務になった場合は、辞めたまたは特別区以外の勤務になった日から2年間有効となります。

地理試験の受講料

地理試験の受講料は6,800円(各科目ごとに3,400円)となっています。
試験は東京タクシーセンター、神奈川タクシーセンター、大阪タクシーセンターで行われています。

事業者が新任研修を受験する場合は新任研修の申し込みが必要で、一般受験者は予約が必要となっているので受験される場合は受験予約を運転者研修所窓口、または電話にて申し込む必要があります。

試験を受けるにあたって

平均受験回数は5~6回

試験を受けるというのは、どうしても緊張してしまいますよね。さらに正解率が80%以上なければ合格できない国家試験を突破しなければ、タクシー乗務員になれないとなると、さらに本来の実力を発揮できないかもしれません。

しかし、知って頂きたいのが地理試験を受ける方の平均受験回数が5~6回と言われているということです。地理試験は問題自体が非常に難しく、一発で合格できる方の方が稀です。5回以内に合格できれば平均以上と言うことになるので、自分の能力が決して劣っているわけではありません。
焦らず勉強した成果を発揮することが大切です。

土地勘が無くても大丈夫

地理試験は土地勘が無いと不利だと考える方が多くいますが、その認識は間違いです。
問題内容が非常に専門的なので特定指定地域に住んでいたとしても試験の難易度は殆ど変わりません。

例題:3つの中から施設に最も近い駅名を選びなさい。
日本年金機構 目黒年金事務所
1.祐天寺駅 2.都立大学駅 3.中目黒駅

例題を見ても分かる通り地理試験の問題はそれほどマニアックなのです。地方出身の方でもしっかりと勉強することで十分に合格できます。

特定指定地域ドライバーは地方出身者の方が多い

東京や大阪などの特定指定地域で現役タクシードライバーをされている方の6~7割は地方出身者と言われています。それだけの方が地理試験に合格し、タクシードライバーとして活躍されているということなんです。

このことから地方から転職を考えている方でも、タクシードライバーは十分転職先の候補になります。地理試験は難易度の面で過大評価されていますが、実際に6~7割の方が地方から出稼ぎに引越し、タクシードライバーとして転職に成功しています。

地理試験を勉強するには?

地理試験は地図が6種類、各地図に対する問題が20種類と非常に多くのパターンから問題が出題されます。
ですから、漠然と勉強して覚えるのはオススメできません。

地理試験の問題は主に東京タクシーセンターが販売している「タクシー運転者地理試験問題霊集」から出題されていますので、問題集を購入し病院や区役所などの重要施設を地域別に暗記し、それに繋がる周辺道路や駅を抑え、全体図として繋がるように勉強すると良いでしょう。
また試験の解答方式がマークシートなので、答えが分からなくても全て埋めることが重要です。暗記で解答できる基本問題から、地図を理解していなければ答えられない応用問題まであるので、事前にしっかりと対策することは重要です。

地理試験の日程や会場などの詳しい情報は公益財団東京タクシーセンターのホームページをご覧ください。

 
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